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臨床心理士・公認心理師のお話 tinopino懇談会

  • 2025年7月15日
  • 読了時間: 4分

先日、tino pinoの放課後等デイサービスのご利用者様の保護者向け懇談会を実施しました。前半に、心理士による子どもの発達についての概論、後半に質疑応答の時間を設けました。

 前半の発達についてのお話は、ASD、ADHD、SLDなどの神経発達症の特徴を解説するものは、さまざまなところで聞かれているかと思うので、そもそも人の発達はどのように進むのかの理論の概説にさせていただきました。

 人の発達の歩みは、人や社会と関係性をとっていく力が育つ関係性の発達と、さまざまなことを理解し考えることができる力認識の発達、そしてその場の状況や規範に合わせて行動を抑えていく自己制御の発達、3軸に沿って、これらが複雑に影響しながら進んでいきます。

 関係性の発達の代表的なものとして、エリクソンの漸進的発達段階、フロイトの新理性的発達理論、認識の発達の代表的なものとしてピアジェの認知発達理論のお話をしました。それぞれ一つ一つの理論は非常に難解なため、一つ一つの理論を理解していただくことに主眼を置いたというよりは、これらの理論をもとに、子どもの育ちに寄り添う視点を整理できたらと考えていました。

 子どもは、まったく何も知らない混沌の世界に産み落とされてから、生得的にある反射などの力を使って世界を探索し始める。その中で、保護的、受容的にかかわってもらうことで、健康面だけではなく、この世のなかは安心で、自分は大切にされるべき存在なんだという感覚を知る。そうした安心をくれる人との関係性のなかで、理解きでること、わかることが増えていく。

 そうして安心感を獲得すると、ただ不快を満たしてもらう存在ではなく、社会で過ごしていくためにしつけが始まる。そのことで、規範、規律、ルールを獲得していく。ルールをただ理解するだけではなく、それを支えるのはルールを守ると喜んでもらえるという関係性の発達が土台にある。

 そうしてルールを知ったあとは、自分の欲求と、社会に求められる規範との間で、葛藤する力を身に着けていく。葛藤する力を支えるのはやはり、周囲のあたたかい支え、土台にある安心感になる。

 これらの心の構造を成長させながら、だんだんと、「自分でこれをやってみたい」という意欲、自主性、そして「自分のやってみたいことをやることで、社会に認められる感覚」を求めるようになる。ただ、周囲からやりなさいと言われることをやって褒められるのは実はとても危険で、人からの評価を気にするという側面もある。自分のなかの意欲からわく、主体的に取り組んだ行動で認められる。これがいかに子どもの成長に大切か、ひいては「自己肯定感」につながっていく、というお話をしました。

これらは、知的発達の水準とはまた別の、精神発達の話なので、知的な発達がゆっくり進むお子さんでも、ある程度の年になると、事業所に登園して母子分離はしっかりできるし(土台の安心感)、ルールを知ってルールを守るか葛藤する力がある(わざとこちらを見ながらエヘヘと笑っていたずらをする)ことができます。そして、実際に取り組む内容はその子なりで良いと思いますが、その子が納得している課題に取り組み、評価されると、ドヤ顔をする子、エヘヘと照れる子、表情に出なくてもその行動がしっかり定着する子、やはり認められることで欲求充足し、精神発達は進んでいるなと感じます。

 

 後半は、保護者の方から、お子さんたちの家での様子などの質問がありました。とくに、気持ちをコントロールすること、は大きなテーマの一つになっているように感じます。パニック時はまずは刺激の統制、環境調整だとは思いますが、冷静になり葛藤できる状況になったら、その子自身で納得した方法を一緒に探っていくことが大切だなと感じました。

 こちらも、保護者の方との対話で学びが深まる時間でした。お時間いただきありがとうございました。

次回は、冬ごろに、言語聴覚士のお話を予定しております。またよろしくお願いいたします。


 
 

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